CMI×unerry特別対談② 事例紹介「ファストフードチェーンの来店効果計測」
前回、CMインハウスとunerryのCM来店効果計測の仕組みをお聞きしました。ここからは実際の分析事例についてお話を聞かせてください。
田中:まずは国内約1,000店舗規模のファストフードチェーンの事例をご紹介します。
もともと担当していた代理店はポイントカードで来店分析をしていましたが、それではミドルユーザー以上に顧客カテゴリーが偏りがちという課題が見えていました。
そこでCMIでは、「すべての顧客カテゴリー毎にCMが効いているか分析し、来店効率を改善します。」というご提案を行い、来店効果計測をスタートしました。
売上の半分以上はミドルユーザー以上が支えて下さっていることに間違いないのですが、その中でも特に来店頻度の高いヘビーユーザー以上のお客さまはテレビCMが無くても来店して下さる能動的なファンの方々です。
テレビCMでは、客数の7割以上を占める新規層・ライト層・休眠復活層のお客さまに来店頂くことを実施の目的とし、その後にリピート施策で来店頻度を増やして頂くことで全店の売上向上を目指しました。
全国に店舗があり、建物が密集する一等地エリアにも多いチェーン店では、来店分析にあたってどのような点に注意が必要でしたか?
野田: 「来店判定の精度」に非常に気を使いました。ロードサイドの店舗なら来店の判定が分かりやすいのですが、都心の一等地にある店舗の場合、「本当に店に入ったのか、たまたま交差点で立ち止まっただけなのか」の切り分けが難しいです。
そのため、滞在時間をx分以上にするなど、来店判定のロジックをかなり丁寧に設定しました。
また、「1年間に何回来ているのか」を基準に、過去1年間で来訪ログがない人を「新規」、数回使っている人を「ライト層」、毎月使う人を「ヘビー層」とクラスタリングし、過去1年間の来訪ログも含めて集計を行いました。
分析から、どのようなことが見えましたか?
野田: まず前提として、CM接触者全体で見ると数十万人規模にのぼるという、非常に大規模なログ調査である点が特徴です。
数百人を抽出してヒアリングするようなアンケート調査とは、母数の規模が全く違います。また記憶に基づく回答ではなく、実際の視聴ログと行動ログから実態を圧倒的なデータ量で明らかにできるというのがポイントです。
その中で、まずはCMが放送された時間を曜日×60分単位で区切り、それぞれの枠のCM接触者の来店率を分析しました。
田中:それまでは、なんとなくコの字ゾーンを厚めにスポットCMを出稿していましたが、実は「13時〜16時台(昼過ぎ)」のCM接触者の来店効果がコの字ゾーンと同じくらい高かったのです。
おそらく、「今日の夕飯どうしよう」「週末の食事をどうしよう」と検討している時間帯でのCM接触が効いていたのだと考えられます。
さらに、TVerとテレビCMの掛け合わせ分析も行いました。期間限定商品や新商品はTVerが効きやすく、定番商品はテレビCMに効いていることが分かりました。
特にテレビCMは、ライト層・休眠層の復活に効いていることも数値で見ることができました。
この結果、新商品のトライアルをまずTVerで少額から試して検証するなど、予算の最適化に繋がりました。
一方で、ヘビーユーザー以上はCMに接触してもしなくても来店率に大きな差がないことも分かりました。
野田: そうですね。やはり新規やライト層、休眠復活層の来店喚起にCMが有効であることがデータとして実証されました。
次回はデジタル×マスの来店効果計測の事例についてお話をお聞きしてまいります。